最高のセールスパフォーマンスのための3つの戦略
“再生可能”な競争優位性を生み出すには (Point of View Paper)
最高のセールスパフォーマンスのための戦略
勝率が下がり、セールス サイクルがより長期化し、持続可能な競争優位の源泉となるものを見出すことが困難な状況で、収益を増大させることは苦難の道です。製品やサービスはよりコモディティ化し、イノベーションの模倣がより簡単になり、ブランド認知がより曖昧になったことで、ブランド認知を高めるためにはより多くのコストがかかるようになっている今、組織はその競争優位性を得るために何を頼りとすればよいのでしょうか?その答えは「セールスフォース(営業組織)」にあります。
問題 – 持続可能な競争優位性の欠如
従来、企業は新たな製品・サービスを発売すれば、長期的な優位性を得ることができ、潤沢な資金と大量生産で、市場を独占できました。高いブランド知名度とグローバルな存在感があれば、市場を獲得できました。今日、企業がこうした要素により、市場で一時的に優位に立つことはあるかもしれませんが、同時にこれだけでは競争上不利になる可能性もあります。今や、競争優位性を維持していくためには、新しい製品を開発するだけでは不十分なのです。
近年のビジネス状況
- 競合がすぐにイノベーションの複製に取り掛かり、自社を追い抜いてしまう。そのため製品のシェルフライフ(持続期間)がますます短くなっている。
- 潤沢な資金と経済力による優位性は、機敏性とカスタマイゼーションに、急速にシフトしている。
- ブランド認知度の重要性はあるものの、より良いものを提供する新しい競合が毎日のように現れてくる環境においては、影響力を失っている。
- 規制圧力の増大により、企業が自社を差別化できる機会が少なくなっている。
では、こうした条件下で、組織はどのように競争優位性を維持していけばよいのでしょうか?
実は、持続的な競争優位性などというものは、もはやビジネスの世界のどこにも存在しません。伝統的な優位性の源泉や、さらには優位性を維持するための戦略も、今日の激動の市場においてはあまりにも静的なものであるといわれています。今日の市場は、スピードと組織の機敏性が求められる短期集中型の市場です。企業は、顧客とビジネスを行う権利を取り戻したり、競合よりも優位な立場を取り戻したりという取り組みを、これまでにない頻度で行っていかなければならないのです。
解決策 – セールスフォース(営業組織)を競争優位の源泉として再定義する
“持続的な”競争優位の源泉はもはや残っていませんが、私たちは、“再生可能な”競争優位の源泉ならわずかに残っており、そのうちの1つが営業担当者と営業マネジャーのパフォーマンスを向上させることであると考えています。アバディーン社が実施した調査によれば、今日のエグゼクティブたちが頭を悩ませている、ビジネスにおける最大のプレッシャーに、「自社の製品やブランドが、顧客ロイヤリティを維持できるだけの独自性を持っていない」ことが挙げられています。企業が市場を独占できるかどうかは、顧客に代わっていかに素早く問題解決に動けるかと同時に、競合よりもいかに優れた機敏性と精通度を発揮できるかにかかっています。つまり、企業の競争力を測る物差しは、顧客にとってビジネスを行うことがどのくらい容易で、どのくらいの利益をもたらすものであるか、また、顧客のビジネス上重要な成功要因にどのくらいの影響を及ぼすかということになります。
商談はますます複雑で困難なものになっています。CSOインサイツ社が実施した調査によれば、商談の成功率は劇的に下がっており、1回の商談を成功させるために必要となるやりとり回数は着実に増えていることが明らかになっています。さらに、営業担当者が商談を成立させた場合でも、経営層の62%は「売上を取り逃がしている」といった印象が残るようです。
セールスフォース(営業組織)が競争優位の源泉となるには、これまでのスキルを大きく上回るスキルが必要となります。また、営業マネジャーも、リーダーシップと優れたマネジメント能力の両方を備えていなければなりません。現在および将来にわたって競争力を維持していくためには、単に顧客の要望に迅速に対応するだけでなく、市場の動きを予測することが重要になるのです。
競争優位の源泉としての営業組織に関する3つの重要なこと
かつて、有能な営業担当者とは、顧客を説得できる人、製品やサービスの機能を専門的に説明できる人、詳細に説明できる人、あるいは顧客に根気よく対応できる人のことを言いました。このようなセールス アプローチは、顧客が売り手に関する情報をほとんど持っていない、製品やサービスを直接比較することが難しい、または求めるものが手に入らないことが問題となっていた環境には適していました。
しかし今日の環境は大きく変わりました。比較情報を熱心に伝えるウェブサイトやコンサルティングサービスのおかげで、顧客はあり余るほどの情報を得ています。今日の顧客は、売り手がニーズを把握する前から、売り手を特定してふるいにかけています。顧客が営業担当者に望むのは、顧客にとって価値のある提案で、自分の問題解決をサポートしてくれることです。そのため、有能な営業担当者は、顧客のビジネスの専門家となり、問題解決の支援者として機能し、自社の「セールス プロセス」よりも顧客の「購買プロセス」についてより多く考えることがカギとなるのです。
私たちの長年の経験と調査より、セールス パフォーマンスを向上させるためには、以下の3つの要素が必要であると言えます。
- 顧客の新しい購買プロセスに合わせて、自社のセールス プロセスを調整する力
- セールスフォース(営業組織)におけるコンサルタントとしての役割と、ストラテジストとしての役割のバランスをとる力
- 営業マネジャーによる付加価値の提供
この論文では、これら3つの要素を一つひとつ分析し、セールスフォース(営業組織)が競争優位の源泉となる上で、各要素がどのように役立っているかを説明します。
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