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リーダーシップは職場のエンゲージメントを回復させる推進力

Recreating a Culture of Engagement

Leadership as the Force Behind Workforce Reengagement

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この見出しを見て興味をひかれた方は、リーダーシップに従業員のエンゲージメントを回復させる力が潜んでいることにお気づきでしょう。とすれば、こんな疑問も湧いてくるはずです:そもそも何が従業員のエンゲージメントを低下させるのか?この問いに対する探求を進めつつ、エンゲージメントカルチャーを回復させるリーダーシップの推進力を発揮するために、何ができるか学んでいきましょう。

かつてエンゲージメントの高かった従業員に何が起きたか?

かつてエンゲージメントの高かった従業員にエンゲージメントを回復するという課題に取り組むには、まず何が従業員のエンゲージメントを低下させているのか認識し、理解することが肝要です。.

仕事の満足度が低いことが原因であれば、決まりきった、やりがいの無い仕事など、さまざまな要因が考えられます。個人の強みを生かせないミスマッチの仕事、単に面白みのない仕事、仕事を成功させるためのツールやスキルが不足しているケース、将来的に専門的な能力開発ができると感じられない手詰まり感のある仕事などです。

エンゲージメント低下につながりやすい深刻な要因を挙げだしたら、きりがありません。 仕事上の適正、やりがい、技術などの要因に気づくことは重要なことですが、ここでは問題にしません。むしろ、こうしたマイナス要因がありながらも、リーダーシップ育成と従業員エンゲージメントを強化する方法に焦点を当てます。

では、エンゲージメント低下に対処するにはどうすればよいか考察していきましょう。
その原因となる要素は、変化にさらされることと有害なリーダーシップです。

あらゆる形状、形態、速度で変化を乗り切る

変化が組織に及ぼす影響を考える上で基本となる前提はシンプルです。従業員が、変化を利益として、あるいは組織と個人にとって前向きな動きとしてとらえている場合、その変化を乗りきるプロセスは問題となりません。変化によってかき乱され、困難が生じる可能性があっても、従業員はエンゲージメントを保ちます。

一方で、たいはんの従業員が変化を自分にとって損失だと認識した場合、従業員は変化を乗り切るどころか、行き詰まるようになり、エンゲージメントが低下する可能性が高くなります。彼らは、変化の結果として、自分が失ってしまうものを想像してしまいます。そうなれば複雑さに対処し、変化に適応することが、いよいよ難しくなります。

今日の急速に変化する環境において、戦略的優位性を生み出し、それを維持しようと努める組織にとって、このRichard D’Aveni氏の言葉は大いに示唆するところがあると思います:

「競争サイクルが短くなるにつれて、新しい優位性を迅速に開発する必要性が高まっています。企業が、今の優位性が無くなる前に、次の優位性を生み出そうと注力することが、ますます重要になっています。」

スピード感のある変化と急速な発展は、短い競争サイクルの中で新たな優位性を生み出すために必要ですが、非常に活気を生み出し、戦略的なやりがいを感じさせ、「こんな日は2度とこない」と思うほどわくわくするような職場環境をもたらす可能性があります。一方で、従業員を消耗させる可能性もあります。利益なのか?損失なのか?組織が頻繁に変化を繰り返すと、疲労という結果を生み、より慢性的で継続的なエンゲージメント低下につながることもあります。

「エネルギーの連続体」で、あらゆる形状、形態、速度の変化を経験する従業員に何が起こりうるのか説明しています:

エンゲージメントが高い状態であることが、連続体のスィートスポットです。従業員のエンゲージメントが高ければ、効果が最大になり、コミットメントが高くなります。変革イニシャチブを実行し、成功させるには、従業員の大多数に高いエンゲージメントが必要です。

頻繁な変化によって、従業員が消耗したように感じると、エネルギーは連続体の中心の右側に流れます。こうなるにはいくつか理由がありますが、多くの場合、従業員が「自己」のコントロールを失ったように感じた場合です。従業員がこういう気持ちになった状況が改善されないと、職業上の燃え尽きを感じ始めます。従業員は、自分がこれ以上エネルギーを出すことができないと判断し、エンゲージメントの低下につながることもあります。

従業員がエネルギーを保留すると、連続体の左側にエネルギーが流れます。エネルギーを保留すると、エンゲージメントは低下します。確かに、自分の時間は費やすのですが、前向きで積極的なエネルギーを発揮しなくなるのです。この引き金となったのは、変化による喪失感であり、疲労感に続くものです。従業員の気持ちが組織から離れると、錆つきが生じます。一日の就業時間が終わるまで待ちきれず、どんなエネルギーを持っていても発見されないままになります。

有害なリーダーシップ

組織のリーダーシップから出た毒性が職場に行きわたると、従業員のエンゲージメント低下につながる重大な要因となります。上司に毒性があり、エネルギーを枯渇させていると従業員が感じた時、「エネルギーの連続体」 を少し見直してみてください。最もコミットメントやエンゲージメントの高い従業員のエネルギーでさえ、連続体の中心の左か右に流出してしまいます。

優れた素晴らしい業績が認めらなかったり報われなかったりした場合、あるいは同僚のいい加減なパフォーマンスが放置された場合、有害なリーダーシップとなる可能性があります。従業員が、関わりがない、情報が知らされていない、またはサポートされていない、意見を聞いてもらえない、評価されていないと感じる環境が生まれます。上司が気にかけてくれないと感じると、従業員のエンゲージメントスコアは、下り坂をすべり落ち始めます。

有害なリーダーシップに対する解決策にたどりつく前に、まず、従業員のエンゲージメントが何を意味するかに触れてみましょう。

エンゲージメントとは?

どうしたらエンゲージメントの高い従業員が生まれるか明確に理解し、それを共有できれば、リーダーが何を重視すべきかがより明確になり、フルエンゲージメントをサポートするカルチャーを蘇らすことができます。

従業員は意識的または無意識のうちに自分のエンゲージメントレベルを選択しています。これは、変化に対する認識に基づいて、または自分に対する要請により、この要請に対して、エネルギーや努力をどれだけ費やすべきと思うかによって決まることがあります。エンゲージメントの高い従業員は、組織の挑戦課題に対して積極的に高いエネルギーを発揮します。注目すべきは、従業員自身がこれを選択することです。

「選択」モデル

人は自らのエネルギーの使い方を決める時、主体的、反発、受け身のいずれかを選択します。

「主体的」な従業員は積極的にエネルギーを発揮することを選択します。その程度は異なり、自らの意志で応じている、参画している、全面的にコミットしているなどの段階によって示されます。

「反発」する従業員は、変化に抵抗したり、反論したりすることにエネルギーを費やすことを選択します。この場合も、しぶしぶ従う、抵抗を示す、妨害行為をするという3つの異なる段階があります。

「受け身」という選択肢は、エンゲージメントが低下した形です。これは、従業員が自分のエネルギーを保留したり、待ちの姿勢であったりすることを選択する時に起こります。受け身の3段階は、従っているように見せる、様子を見る、心ここにあらずというものです。

当社の研究によれば、従業員の80%がこの受け身状態であるといいます。これはエネルギーが流出してしまうところです。変革イニシャチブを実行しようとするなら、それが新しい戦略であれ、健全なビジョンであれ、よく考えられた新規プランであれ、従業員の80%が受け身で、次に何が起こるか様子見をしているようでは、変革など起きません。

それはジレンマです。それならば、どんなリーダーシップが従業員の選択に影響を与えるのでしょうか?そこでアンケート調査を行いました。多くのグローバル組織にいる何千もの人々を調査し、「あなたが高いエンゲージメントを保ち、あるいはエンゲージメントを回復するためには何が必要でしょうか」と尋ねました。一番多かった回答は「リーダーの手本」でした。

リーダーが、水道の蛇口のように組織にエネルギーを注ぐことも、排水溝のようにエネルギーを排出することもできるとすれば、エネルギーを奪うのではなく与えるということができるのは、どんなタイプのリーダーでしょうか?

エッセンスとフォームを持って指揮する

フルエンゲージメントのカルチャーを支える有能なリーダーシップを発揮するには、リーダーシップのエッセンスとフォームを開発する必要があります。

リーダーはリーダーとなる目的やリーダーとしての哲学、信念、価値観を明らかにすることで、そのエッセンスを開発します。エッセンスは、核心にあって、リーダーとしての質をあらわします。フォームはリーダーが何を話し、行うかです。リーダーのエッセンスを示す意思決定、行動、言動をあらわします。大変有能で尊敬されるリーダーは、目的がはっきりしており、リーダーとしてどうありたいかわかっています。これによってリーダーとして何がしたいかが形成され、エッセンス(性質)はフォーム(スキル)が働く基礎となります。

フルエンゲージメントのカルチャーを真に効果的に醸成するには、リーダーは、自分が示すお手本が、従業員のエンゲージメント選択に影響を及ぼすのだということを理解しなければなりません。

リーダーが、他人の影響のような外部からの評価やヒントに基づいて行動し、自分の成功を肩書き、地位または見栄えという物差しで測るならば、そのリーダーは「承認」頼みであって、自身の内なる価値観において深みに欠けています。一方、リーダーが、自身の揺るぎない価値観や信念のように内なる評価に照準を合わせ、自らの成功を、能力の発揮度や他者への貢献度という物差しによって測るならば、「目的」に頼る生き方をします。

エネルギーを回復する:組織にエンゲージメントを取り戻す

従業員のエンゲージメント回復をけん引する推進力は、エンゲージメントの側面―つまり、変化に対する見方とエネルギーの発揮度合い―に直接影響を及ぼす5要素から生まれます。これらの要素が従業員の選択に影響を与え、高いエンゲージメントにつながります。

エンゲージメントカルチャーの創造:5要素

  1. オポチュニティ
  2. パーソナルアカウンタビリティ
  3. コネクティドネス
  4. インクルージョン
  5. バリデーション

エンゲージメントの高い従業員を持つ組織は、カルチャーを結果ではなく原因とみなします。リーダーには、従業員がエンゲージメントを高めやすいカルチャーを創造する責任が期待されます。まず、リーダーは、まずこの5要素に焦点を当て、次のキーアクションを取ります。

1. オポチュニティ
エンゲージメントは、メンバーが自分は何か重要なこと、意義あることの一部になっていると感じ、何か信じられるものがある時に生まれます。

従業員は未来にあるものを理解し、希望を感じたいと思っています。彼らは未来のどんなことにワクワクするのでしょうか。進むべき未来のオポチュニティを感じられなければ、そこからはずれて喪失感を味わうようになります。

リーダーが取りうるキーアクション:

  • 組織は、組織が追い求めるもの―組織とそのメンバーにとって、現実的かつ楽観的な考え方を反映するような潜在能力―を作り出すことに取り組みを集中すべきである。
  • 組織のビジョン/理念/戦略は、オポチュニティ(機会や可能性)の枠組みの中で活用し、伝達する必要がある。
  • 組織において重要な施策に個人がどれだけ貢献しているか伝え、組織の今後の可能性に気づかせる。

2. パーソナルアカウンタビリティ
エンゲージメントは、メンバーにベストを尽くすことが求められている時、またメンバーが何に対して責任を持っているかを理解している時に生まれる。このような場合にアカウンタビリティは高まります。

従業員は、「変革の結果、自分に求められているものは何でしょう?どうしたら責任を負えるのでしょう?」という問いに対する答えが欲しいのです。変革が自分にどう影響するのか、リーダーから何を期待されているのか知りたいのです。

リーダーが取りうるキーアクション:

  • リーダーはパフォーマンス目標だけに目を奪われがちだが、真のエンゲージメントは言動上の期待も併せて明確に示すことによって生まれる。
  • リーダーはメンバーに期待することを明確に示し、メンバーがその期待に応える責任を果たせるようにする必要がある。
  • 言動とパフォーマンス目標に対するメンバーの責任を、リーダーが明確に示すことによって、従業員は自分の責任を自覚するようになる。

3. コネクティドネス
エンゲージメントは、従業員同士がつながりを感じ、お互いに共通の利害や関心事に焦点を当て、また責任の共有がなされている状況の下で働いている時に生まれます。

従業員はお互い同士のつながりを感じたいと思っています。互いに支え合うような協力的な環境に属していると感じたいのです。

リーダーが取りうるキーアクション:

  • 従業員同士が互いに信頼し合い、支え合っていると感じられないと、エンゲージメントは維持できない。
  • リーダーは、従業員の間に強いつながりが築かれるように促進する。
  • 相互関心と責任の共有化に基づく協働の考え方を促す努力がリーダーには求められる。

4. インクルージョン
エンゲージメントは、従業員に十分な情報が伝えられている時、また従業員が何かに関与していたり、自分の考えや感情を自由に表現できる時に生まれます。つまり、人は自分が物事に「関係」していると感じたいということです。

従業員は仲間に入れてもらえていると感じたいのです。自分も未来を創る一人になりたいと思っています。コミュニケーションのあらゆる側面、つまり、コミュニケーションの向上、意見を述べる機会、問題について話し合い質問をする機会、意見を聞いてもらい参加する機会が生まれます。

リーダーが取りうるキーアクション:

  • インクルージョンはエンゲージメントを自然に生み出すために役立つ。コミュニケーションが抑圧されていると、エンゲージメントは自然に低下する。
  • エンゲージメントを定着させるためには、情報が常に従業員に共有され、提供されるようなシステムが組織には必要である。
  • 情報共有における最も重要な要素は、信頼のカルチャーを構築することであり、これは(従業員が)リーダーを信頼するところから始まる。

5. バリデーション
エンゲージメントは、従業員が自分は重要な存在であると感じる時、つまり組織の中に自分が評価される場所があると感じる時に生まれます。

従業員はリーダーから大切にされたいと思っています。自分が組織の将来にとって重要な一部なのだと感じ、支援や育成、評価の対象となりたいと思っています。

リーダーが取りうるキーアクション:

  • 組織は、従業員を育成し、支援し、その努力に報いるための制度やプロセスを定める。
  • 従業員を大切にしようと思うなら、リーダー自らが彼らを育成・支援し、報いなければならない。
  • 従業員の一部は、必ず組織を離れていく。ただし、自分の存在価値が感じられないがために退職をするというケースだけは、絶対に起こらないようにすべきである。

あなたは、リーダーがエンゲージメントに必要な要素を実施するためのアクションを起こせるよう、支援を行っていますか?

これらの5要素が、エンゲージメントのカルチャーを形成し、醸成します。貴組織ではどのようにエンゲージメントが生まれていますか?

詳細については、ウィルソン・ラーニングにお問い合わせいただくか(電話:03‐6381‐0225)、お問い合わせフォームをご利用ください。

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About the Author
トム・ロス

トム・ロス

人材開発ソリューションの開発・導入に40年以上の経験を持つ。ウィルソン・ラーニングワールドワイドの戦略と事業の責任者。また、グローバル・マーケティングおよび、ウィルソン・ラーニングのすべてのソリューションとその理論の研究開発を担うR&Dソリューショングループの指揮も行う。従業員エンゲージメント、リーダーシップ育成、戦略の一致、事業変革などの分野において、経営層リーダーシップチームをグローバルで支援。現職の前は、グローバルR&Dおよびソリューション展開を行うグループの最高責任者、ウィルソン・ラーニングアメリカの社長を経験

人材開発ソリューションの開発・導入に豊富な経験を有する。Unplugged: How Organizations Lose Their Energy and How to Get It BackおよびCreating the High-Performance Teamの共著者で、多数のビジネス書にも取り上げられている。国内外の会議や顧客イベントでの登壇機会も多く、リーダーシップ、従業員エンゲージメント、変革、戦略実施など、さまざまなテーマについて講演を行う。

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